技術 2023/4/11

煙突掃除で健康診断

煙突掃除グッズ

メンテナンス不足の怖さ

ノルウェーの煙突掃除業界の調査統計によると、薪ストーブなどによる火災が多いのは、納税申告の時期だったという、ちょっと笑えない報告があります〈『薪を焚く』(ラーシュ・ミッティング著 晶文社刊)より 〉。不思議に思って調べたところ、古い伝票や資料を炉内で燃やしたことで引き起こされる火災が多かったというもの。薪ではない大量の紙類を一挙に燃焼させるなどは、もってのほかですが、煙道に蓄積していた煤と、紙の燃焼の勢いで、大きな煙道火災を招いてしまったのです。この例は、特殊な使い方が招いたトラブルですが、煙道に付着した煤の掃除は、シーズン後に行う大切な作業です。

煙突掃除は健康診断のチャンス

煙突掃除は、現在の製品の状況がよくわかるチャンスです。それは、掃除で出てくる煤の状態を見ることができるからです。サラサラの煤は、理想の燃料の状態と焚き方ができている証拠。ゴツゴツとして量が多い煤は、薪の乾燥が不十分だったり、焚き方に問題がある場合が多いことがわかります。こうして煤の状態を観察することが、日ごろの薪ストーブの使い方の成績表となるのです。

煙突掃除はいつ行う?

煙突掃除は、シーズン後の春先から初夏が適期で、使用前の確認として、秋にもう一度行うのが通例です。最近は、室内から煙突掃除を行う方法なども紹介されており、自分で作業に挑戦する人も出てきているようです。当社でも煙突掃除に欠かせないブラシやロッドやアダプターを組み合わせた基本になるスターターセットを用意しています。ただし、屋根に上がる煙突掃除は、大変危険ですので、詳細は納入・工事を請負ったディーラーに一度ご相談いただくといいでしょう。