文化 2022/12/16

冬のストーブ周りの愉しみ

じんわりとあたたまる輻射熱

薪ストーブの温もりが、心身ともにうれしい冬の季節に入りました。ストーブ本体の遠赤外線から出される輻射熱が、じんわりと身体の冷えや緊張を緩めてくれます。その暖かさは、エアコンや温風ヒーターのような即効性はありませんが、気が付くと室内全体がほんわかとなり、ゆっくりと肩やつま先から寒さが退いていくのがわかります。

料理もできる、あたたかさの活用法

以前にヨツールの薪ストーブを使用されているお客様のご自宅で、ストーブの上に載せた鍋の湯にアルミ製の酒燗器を浸して温めたり、熾火が残る炉内にアルミホイルで包んだサツマイモを入れて焼き芋にするなど、冬ならではの楽しみ方を伺いました。

確かに、薪ストーブには暖房の機能だけではなく、簡単な調理ができる熱源としての機能も期待できます。スープやシチューなど、煮込み料理を作るのに適しています。薪ストーブの熱を利用するので、光熱費を気にせずに長時間火にかけておけるのもうれしいところです。

そして、F 602のようなクッキング機能を重視したストーブでは、本体上部に専用のホットプレートがあり、調理の熱源として活躍しています。

もちろん、それ以外の薪ストーブでも簡単な調理の熱源としては十分に力を発揮します。その際には、OIGENという南部鉄器のクッキング用品のシリーズもありますので、試してみてはいかがでしょうか。

ノルウェーのソウルフードのミルク粥

ストーブの傍でコトコト煮込む料理として、ノルウェーをはじめ北欧諸国でも食べられている「ミルク粥」をご紹介しましょう。北欧の人々がよく食べるミルク粥は、お米やオーツ麦などを牛乳で煮込んでココアやシナモンパウダーやハチミツなどをかけて食べる、デザートのような料理。ノルウェーではクリスマス料理の一つに入っています。

そして、このミルク粥が大好物なのが、ノルウェーの深い森に棲むとされる不思議な妖精トロール。弊社の人気商品 「トロール人形」でもおなじみですが、大きな鼻と尻尾が特徴とされる伝説上の彼らは、普段は山奥で暮らしていますが、ときどき人間社会にも姿を現します。親切にしてくれた人間には幸せを、そうではないと、怒っていたずらや意地悪をしかけてくると言われています。そのため、クリスマス晩餐の夜は、ミルク粥をトロールの分も一皿用意して、納屋や玄関前に置いておく慣わしがあるそうです。そうすると、トロールは家畜や人間にいたずらをせずに、ミルク粥をごちそうした家族は幸せに過ごせるのだとか。

鍋トロール

ミルク粥のレシピ (約2人分) 

【所要時間】約45分 

【材料】
 ・白米  1合の半分
 ・水   400㏄
 ・牛乳  400㏄
 ・バター 適宜
 ・塩   ひとつまみ
 ・アーモンドなどの飾り

【作り方】
①白米を洗い、水気を切っておく
②鍋に水を入れて沸騰させる
③そこに白米と塩を入れて煮る(湯炊き)  
④蓋は少し開けて、吹きこぼれないように中火で煮込む (ここまではガスや電気調理で)
⑤泡がぷくぷく立ち、米の芯がなくなったら牛乳を投入 (ここからストーブへ移動)
⑥牛乳が焦げ付かないように、木ベラでかき混ぜながらコトコト煮込む
⑦全体がまとまってきたら完成

バターは、③のときに入れてもいいし、⑥の牛乳を入れた後で加えても。飾りつけは自由に。お好みでカカオやシナモンパウダーをかけたり、ハチミツをたらしてもおいしい。画像の鼻に使っているアーモンドは、お粥に隠して、それが当たった人はプレゼントが貰えるという遊びもある。

参考文献
『北欧のおいしい時間』(森百合子著 P-Vine BOOKs)
「世界の食べもの北ヨーロッパ」(週刊 朝日百科)

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