技術 2023/1/26

あたたかさの性能「出力」

安定した性能表示を読み取る

家庭のエネルギー消費で暖房が占める割合は約25%※で、省エネやエコに特化した暖房器具が求められています。良い性能の暖房器具とは、環境にも経済的にも優れた製品であること。それは、暖炉や薪ストーブでも同じことです。薪を燃焼させるエネルギーを活用する場合、その性能のカギを握るのは、燃焼の大きさではなく、安定した燃焼です。
※出典:資源エネルギー庁「令和2年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2021)」

基本となるのは、定格出力

良い暖炉や薪ストーブとは、自動車に例えると、制限速度で長時間走ることができる燃費のいい車種と言えます。どんなにスピードが出る車でも、燃費が悪ければいい車とは言えず、それは暖炉や薪ストーブでも同じこと。どんなに薪が燃焼できる「最大出力」をもっていても、一定の薪の投入で安定して燃焼ができる「定格出力」の製品でないと、性能が良いものとは言えません。

【暖炉・薪ストーブの性能を表す出力表示】
・ 最小出力:クリーンバーン(自動二次燃焼システム)が機能する最小の出力
・ 定格出力:適切で経済的な運転出力
・ 最大出力:安全テストのもとで行われた運転の限界を示した出力

この定格出力が、あたたかさの性能を知るポイントになる燃焼と言えます。例えば、JØTUL F 400 ECOの場合は、最大出力は9,116kcal/hと表記されていますが、その数字で性能比較をするのではなく、6,880 kcal/hの定格出力を見ることが大事なのです。